掃除をするときの心


 ふだん、なにげなくする掃除ですが、そのときの心の在り方で、その人の人生がどういうもので
あるかがわかります。まさか、掃除をしたことのない人はいないでしょう。 部屋に住んでいるかぎ
り、時間とともにその部屋は汚れてくるので、掃除をしないわけにはいきません。

 夫婦で一緒に住んでいると、たとえばご主人が部屋が散らかっているのに我慢が出来なくなって
「何だ、まだ掃除していないのか!」と、奥さんに文句を言わんばかりに掃除をし始めます。また
逆に、ご主人が部屋の中を散らかしてばかりいるので、奥さんが、プリプリ怒って「まったくしょうが
ない人だわ!」と掃除を始めます。どちらにしても、「なんで俺が、掃除しなければならないんだ!」
「なんで私は掃除ばかりしなければならないの!」と、掃除機を動かすわけです。

 しかし、こういう心の在り方は、結局のところ、不幸な人生を導くといわざるを得ないでしょう。
「なんで自分が掃除しなければならないの」という心の中には、自分以外の同居者が掃除して当た
り前という心のおごりや、人の行為をむさぼる気持ちが隠されています。そこからは本当に幸せな
人生が形成されるはずがありません。ネガティブなカルマが蓄積されていくだけです。

 反対に、掃除するのが楽しくて仕方がないという場合はどうでしょう。拙著『ポジティブ思考では、
なぜ成功できないのか?』 (学習研究社)に紹介した病院の清掃係ロージーのことが頭に浮かび
ます。彼女は患者の吐いたものや汚物の後始末も口笛を吹きながら陽気にこなしていました。
安い賃金でしたが、そこで働く医師や看護師のだれよりも高い誇りを持って働いていたのです。

そして一日の仕事を終えるときはいつも必ず病室で患者さんのためにお祈りを唱えるのでした。
そこに入院している人たちが一日も早く元気になりますように、と…。実際彼女にはヒーリングパ
ワーがあったので、がんの末期で絶望的な入院生活をおくっていた心理学者のピアソール博士も
奇跡的に回復し、退院したのです。

彼女ほどではないにしろ、日常の掃除や食事の後片付けなども、自分がさせていただくものと考
えたら、どうでしょうか?そうすることで生きていることへの感謝の気持ちを確認できるかもしれま
せん。あるいはまた、それがほんとうに楽しいからという心を持っている人の人生は、ほんとうに幸
福なものだと思います。そういう気持ちで掃除のできる日がどのくらいあるでしょうか?

掃除に関してもう一つの話があります。 掃除をしているその瞬間に自分の意識をすべて集中させ
るというのです。そのとき掃除以外の行為についての考えを持たないのです。掃除しているという行
為そのものになりきるというのです。それは一種の瞑想でもあります。そういう状態でいると、今この
瞬間の宇宙から自分に向かって素晴らしいエネルギーが流れ込んで来ます。一度試してみては?